名刺交換はビジネスマナーの基本です。
はじめての社会人でも安心して名刺交換ができるように、渡し方から受け取り方、実際の会話例までを徹底解説します!
名刺交換ってなに?社会人にとっての意味

名刺が必要な理由
名刺は、ビジネスの現場で「初めまして」の瞬間に使う、とても大切なアイテムです。
自己紹介の代わりに、名刺を通じて「自分がどこの誰か」を相手に伝えるために使われます。
就活では履歴書、ビジネスでは名刺。
名刺は“社会人としての身分証明書”のようなものです。
名刺は「あなた自身の分身」
名刺は紙一枚のように見えて、あなたの会社名・名前・役職・連絡先など、すべての情報が詰まった「あなたの分身」です。
汚れた名刺や折れた名刺を渡すのは、自分自身がだらしなく見える原因になります。
POINT
- 名刺は常に清潔で折れ目のない状態に保つ
- ケースに入れて持ち歩くのが基本
名刺が果たす3つの役割
役割 | 内容 |
身分証明 | 名前・所属・役職を伝える |
信頼構築 | 所属先がはっきりすることで安心感を与える |
連絡手段 | メールや電話をする際の情報源になる |
名刺交換のタイミングと基本ルール

名刺交換のタイミングはいつ?
名刺交換は、「名乗る前」に行うのが基本です。ビジネスシーンでは、あいさつの直後や、会議が始まる前に行われます。
例:会議前の流れ
- 「はじめまして、〇〇と申します」
- 名刺を差し出す
- 相手と交換する
同時に渡す or 順番に渡す?
名刺は、相手が同時に出してきた場合「両手で交換」が基本です。
タイミングがズレた場合は、相手が出してくるのを待ち、軽く会釈してから自分の名刺を差し出しましょう。
同時交換のコツ
- 名刺を両手で持ち、少し前に差し出す
- 目線は相手 → 名刺 → 相手の順で動かす
名刺交換NG行動リスト
✖ 名刺を片手で渡す
✖ ポケットから直接名刺を出す
✖ 相手の名刺をすぐにカバンにしまう
✖ 相手の名前を読み間違える
正しい名刺の持ち方と渡し方

名刺の向きと指の置き方
名刺を渡すときは、相手から見て「正しい向き」で持ちます。
つまり、文字が相手に読める向きです。
持ち方の基本
- 名刺の左下と右下を両手で持つ
- 親指と人差し指で角を押さえる
- 指が名前やロゴにかからないように注意
相手が上司か同僚かで変わる?
名刺交換の基本は同じですが、目上の人にはより丁寧な態度が求められます。
たとえば、相手より少し低い位置で名刺を出すのがマナーです。
ワンポイント
- 役職が高い人には「先に名刺を出す」
- 名刺は必ず“相手より下の高さ”で差し出す
実演イラストつき!正しい渡し方をチェック
渡すときの一言
「はじめまして、株式会社〇〇の△△と申します。よろしくお願いいたします」
名刺を受け取るときのマナー

両手で受け取るのが基本
名刺を受け取る際も、必ず「両手」で受け取ります。
その後、一礼して感謝の言葉を添えると好印象です。
「ありがとうございます。頂戴いたします。」
名前の読み方が分からないときの対処法
もし相手の名前が読めない場合は、正直に確認してもOKです。
ただし、失礼にならない聞き方がポイント。
例文
「大変失礼ですが、お名前の読み方をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
受け取った後の名刺の扱い方(机に置く?すぐしまう?)
受け取った名刺は、すぐにしまわず、会話中は机の上に置いておくのがマナーです。
状況 | 名刺の扱い |
打ち合わせ時 | 相手の名刺を自分の名刺入れの上に置く |
面談・複数人対応 | 名刺を座席順に並べる(メモを添えてもOK) |
名刺交換でよくある会話の流れ

自己紹介はどこまで言う?
名刺を渡す際は、名前と会社名・部署名まで伝えます。
余裕があれば、簡単な業務内容も添えて会話のきっかけに。
例文
「〇〇株式会社の△△と申します。営業部で、主に新規開拓を担当しています。」
初対面の相手に好印象を与えるコツ
- 笑顔で目を見て話す
- はっきりとした声で話す
- 一礼を忘れずにする
相手の名刺を見ながら「〇〇様ですね。よろしくお願いいたします」と名前を呼ぶと◎
例文:名刺交換時の会話テンプレート
自分「はじめまして。〇〇株式会社の△△と申します」
相手「〇〇の××です。よろしくお願いいたします」
自分「よろしくお願いいたします。頂戴いたします」
(名刺交換)
相手「営業ご担当なのですね」
自分「はい。〇〇を中心に新規営業をしています」
名刺を忘れてしまったときの対処法

「名刺を忘れた」と伝える正しい言い方
名刺を忘れてしまったときは、正直に、かつ丁寧に伝えるのがマナーです。言い訳がましくならないよう、簡潔に伝えましょう。
例文:
「本日は名刺を持参しておらず、申し訳ございません。」
あくまで忘れてしまった自分の非を認めたうえで、誠意を持って対応しましょう。
名刺がないときに使える代替案
名刺がない場合、以下の代替手段で対応できます。
代替手段の一例:
- 自分の連絡先を記載したメモを渡す
- スマートフォンで会社のメール署名画面を見せる
- 後日郵送することを約束する(名刺送付)
事後フォローのメールテンプレート
名刺を渡せなかった場合は、当日中または翌日にお礼メールを送りましょう。
例文:
件名:ご挨拶のお礼(○月○日 名刺交換の件)
〇〇株式会社
〇〇様
本日はお時間をいただきありがとうございました。
改めてご挨拶申し上げます。
当日、名刺をお渡しできず大変失礼いたしました。
改めて添付にてお送り申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
△△株式会社
□□(氏名)
複数人での名刺交換の注意点

誰から渡す?順番のマナー
複数名が同席する名刺交換では、順番が重要です。
基本的に「上司 → 部下」の順で名刺を渡しましょう。
複数人の名刺交換の順番(自社側が複数の場合)
- 役職が高い人から順番に渡す
- 相手が複数人なら、1人ずつ順に回る
- 自己紹介と名刺交換を1人ずつ丁寧に
円卓や立食時の名刺交換のコツ
テーブルや場所に制約がある場合でも、できるだけ相手の正面に立ち、落ち着いた動きで交換しましょう。
注意点リスト:
- 席を立って交換する
- 相手に対して体を向ける
- テーブル越しに渡さない
まとめて交換しない!1対1が基本
「全員に配る」ような形式で一気に名刺を渡すのは失礼にあたります。
一人ひとりに丁寧に交換するのがビジネスマナーです。
オンライン時代の名刺交換

オンライン名刺とは?使い方とマナー
近年では、デジタル名刺の利用も広まっています。スマホでQRコードを読み取ってもらう、URLを送るなどが一般的です。
代表的なサービス:
- Sansan Me
- Eight(エイト)
- myBridge(マイブリッジ)
ZoomやTeamsで名刺代わりにすべきこと
オンライン会議では、名刺交換の代わりに自己紹介スライドや画面表示名の工夫が有効です。
画面表示例
名前+会社名+部署
例)田中太郎|○○株式会社 営業部
自己紹介のタイミング
- 会議冒頭での自己紹介
- チャット欄に連絡先を記載
オンライン後のフォローアップメール例
会議後には、メールで名刺代わりの連絡先を送りましょう。
例文
件名:本日のご挨拶とご連絡先のご案内
〇〇株式会社
〇〇様
本日はオンラインミーティングにて
お時間をいただきありがとうございました。
名刺に代わりまして、以下に私の連絡先を記載いたします。
ご確認のほどお願いいたします。
△△株式会社
□□(氏名)
電話:
メール:
名刺の保管方法と管理のコツ

名刺ファイルと名刺管理アプリの活用法
名刺をもらったあとは、管理も大切です。
手書きのファイルでも、スマホアプリでも、「検索できる状態」をつくっておくのがポイントです。
方法 | 特徴 |
紙ファイル | 書き込みがしやすい、分類しやすい |
名刺管理アプリ | データ化されて検索しやすい、紛失リスクがない |
おすすめアプリ
- Eight
- CamCard
- myBridge
もらった名刺にメモを残していい?
名刺に直接メモを書くのは、本人が見ていない場でのみOKとされています。
打ち合わせ内容や人柄などをメモするのは、あとから思い出すために有効です。
例
- 名刺裏に「○/○ 新宿で打ち合わせ」「趣味:ゴルフ」など
失礼のない名刺整理のポイント
- 役職順に整理
- 業界ごとに分けて管理
- 時系列での保管もおすすめ
名刺に関するQ&A

Q1:旧姓の名刺は使っていいの?
→ 旧姓を使う場合は、「(旧姓:○○)」と併記するのが一般的です。
法律上の氏名が変わっていても、社内外で旧姓の方が認知されている場合は許容されることもあります。
Q2:肩書きが変わったらどうする?
→ 名刺の情報が変わったら、すぐに新しい名刺を作成しましょう。
古い名刺をそのまま使うと、相手に誤解を与える恐れがあります。
Q3:海外の相手と名刺交換するときの違いは?
→ 海外では名刺にあまり重きを置かない国もありますが、日本のビジネスマナーとして丁寧な交換を心がけると好印象です。
英語表記の名刺を用意しておくとスムーズです。
最後に:名刺交換は「丁寧さ」がすべて
名刺交換の場面は、第一印象を決める大切な瞬間。
どんなに知識やスキルがあっても、最初のマナーで損をしてしまってはもったいないですよね。
「名刺は、あなたのもう一つの顔」
そう意識して、今日から一つずつマナーを身につけていきましょう!