社会人の基本といえば、あいさつとおじぎ。
簡単そうで意外と奥が深いこのマナーを、言葉・タイミング・角度までわかりやすく解説します!
あいさつの重要性とは?

第一印象の55%は非言語で決まる?
実は、第一印象の55%は表情や態度などの「見た目」で決まると言われています(メラビアンの法則)。
つまり、「声のトーン」「笑顔」「おじぎの丁寧さ」は思った以上に影響力が大きいのです。
💡ポイント
「おはようございます」の一言でも、明るい表情と落ち着いた動作をセットにすると印象UP!
「お疲れ様です」と「こんにちは」の違い
「こんにちは」は日常的なあいさつですが、ビジネスシーンでは「お疲れ様です」を使うのが一般的です。
社内であっても、上司・同僚・先輩には基本的に「お疲れ様です」でOK。
シーン | 適したあいさつ |
社内 | お疲れ様です |
社外初対面 | はじめまして/お世話になっております |
朝の社内 | おはようございます |
外出先から戻った時 | ただいま戻りました/お疲れ様です |
あいさつは“相手の存在を認める”行為
あいさつは、「あなたをちゃんと見ていますよ」という敬意のサイン。
たとえ忙しいときでも、軽く会釈や一言を添えることで信頼感が生まれます。
🙆♂️ 見かけたら → 軽く会釈+一言
🙅♀️ 無視 →「気づいてもらえなかった」「冷たい人かも」とマイナス印象
ビジネスシーンで使う基本のあいさつ

「おはようございます」は社内だけじゃない
出勤時の「おはようございます」は、社内だけでなく、取引先など社外でも使うことがあります。時間帯に関係なく、初対面であっても「おはようございます」が通じるのがビジネスの特徴です。
「失礼します」「よろしくお願いします」の使いどころ
社会人のあいさつでは、以下のような丁寧表現の使い分けがとても大切です。
フレーズ | 使う場面 |
失礼します | 部屋に入る時、退出時、電話対応時 |
よろしくお願いします | 初対面、会議の開始、メールの締めくくり |
失礼いたしました | 軽いミスへの謝罪や退室時の丁寧表現 |
場面別あいさつリスト(表形式)
シチュエーション | 推奨されるあいさつ |
朝、出社したとき | おはようございます |
社内ですれ違ったとき | お疲れ様です(+軽く会釈) |
会議に入るとき | お時間いただきありがとうございます/失礼します |
退勤するとき | お先に失礼します/お疲れ様でした |
訪問先での第一声 | はじめまして。よろしくお願いいたします |
おじぎの種類と違い

会釈・敬礼・最敬礼ってなに?
おじぎには3つの基本があります。
それぞれの意味と使い分けを覚えておきましょう。
おじぎの種類 | 角度の目安 | 用途 |
会釈 | 約15度 | すれ違いざまの軽いあいさつ |
敬礼 | 約30度 | 取引先へのあいさつ・受付時など |
最敬礼 | 約45度 | 深い感謝・謝罪・重要な場面での礼儀 |
角度で変わる意味(図解風表現)
会釈 → 15度 → 軽いあいさつ
敬礼 → 30度 → 丁寧なあいさつ
最敬礼→ 45度 → 強い感謝・謝罪の気持ち
数字だけでなく、「どんな気持ちが込められているか」もセットで覚えると自然な動作になります。
おじぎの種類別 使用場面マップ(表)
シーン | 推奨されるおじぎ |
廊下ですれ違う | 会釈(軽く首を下げる) |
お客様への対応 | 敬礼(丁寧に30度) |
ミスやクレーム対応 | 最敬礼(45度、気持ちをこめて) |
正しいおじぎの仕方

姿勢・タイミング・目線の基本
おじぎは、「姿勢・タイミング・目線」が揃って初めて「きれい」になります。
- 背筋はまっすぐ
- 腰から上を使ってゆっくり倒す
- おじぎ中は目線を下げすぎず、床を見るくらいでOK
💡 NG例
首だけをペコッと下げる、猫背、速すぎるおじぎ
おじぎでやりがちなNG動作5選
- 首だけでおじぎする(”うなずき”になってしまう)
- 手がバラバラに動く(ポケットに手を入れたまま)
- 目線が落ちすぎて相手から顔が見えない
- おじぎが速すぎる/浅すぎる
- おじぎ中に話す(動作を分けるのが基本)
おじぎの基本を身につける練習法
まずは鏡の前やスマホのカメラで自分の姿を確認しましょう。
練習手順
- 背筋を伸ばして立つ
- 両手を前で重ねる(男性は体の横に)
- 腰から上をまっすぐに倒す
- 3秒キープ → ゆっくり元に戻る
この動作を「挨拶の声+おじぎ」の流れで繰り返すと、自然に習慣になります。
あいさつ+おじぎのセット動作

声をかけながら頭を下げる?順番は?
基本は、「あいさつの言葉 → おじぎ」という順番です。
ただし、言い終わりと同時に頭を下げることで、より自然に見えます。
例
「おはようございます」→ 言いながら徐々に頭を下げる → 30度で一瞬キープ → ゆっくり戻す
「立ってするおじぎ」と「座ってするおじぎ」
立ってするおじぎ
- 基本は30度の敬礼
- 手は自然に体の前(女性)または横(男性)
座ってするおじぎ
- 手は膝の上に置いたまま
- 背筋を伸ばして腰から前に倒す
- おじぎの深さは立ち姿と同じ感覚でOK
応用編:エレベーターや廊下ですれ違うとき
狭い空間でも、相手への敬意を忘れずに!
シーン | 対応 |
エレベーターで上司と一緒 | 乗る順番 → あいさつ → 先に降りて扉を開ける |
廊下ですれ違う | 軽く会釈+「お疲れ様です」 |
通話終了時 | 見えなくても、礼儀として軽く頭を下げる |
初対面での好印象をつくる方法

あいさつ時の声の大きさ・トーン
あいさつの声量とトーンは、印象を大きく左右します。
大きすぎると威圧的、小さすぎると自信がない印象に。
理想は「相手にしっかり届く声+明るめのトーン」
おすすめの声の出し方:
- 胸を張って口を大きく開ける
- お腹から声を出すように意識する
- 笑顔で声を出すと自然とトーンが上がる
緊張しているときの自然な笑顔の作り方
初対面は誰でも緊張するもの。でも、口角を上げておくことで「感じがよさそう」な印象がグッと上がります。
コツ
- 目元をやさしく緩める
- 唇を少し閉じたまま、口角を左右に引く(“にっこり”より“ほほえみ”)
- 自然な笑顔は、鏡での練習が効果的!
「感じがいい」と思われる小さな気配り
✅ エレベーターで「開」ボタンを押してあげる
✅ 会議室で上座・下座を譲る
✅ あいさつ後に相手の名刺を丁寧に扱う
こうした「+αの気遣い」が、実は強く印象に残ります。
社内・社外で変わるあいさつのマナー

社内での上司・同僚へのあいさつ
社内では、「お疲れ様です」が万能のあいさつワードです。
上司・同僚・先輩・後輩など、立場に関係なく使えるため、迷ったらこれを選びましょう。
ただし、社外の人には「お疲れ様です」は使いません⚠️
社外の人とのあいさつマナー
社外の方とは、以下のような表現を使うのがマナーです。
シーン | 適したあいさつ |
初対面 | はじめまして/お世話になっております |
訪問時 | 失礼いたします。○○会社の□□と申します |
退室時 | 本日はありがとうございました。失礼いたします |
NG例:
×「お疲れ様です」(社内用)
×「どうも〜」(カジュアルすぎ)
「親しい人にも丁寧に」が基本
たとえ仲良くなったとしても、職場では丁寧さをキープしましょう。
フランクになりすぎると、周囲に誤解を与えることも。
出勤・退勤時のマナー

「おはようございます」は誰に言う?
出勤時には、目が合った人すべてにあいさつをするのが基本です。
すれ違いざまや、遠くにいても声をかけられる範囲で一言添えましょう。
「お先に失礼します」と「お疲れ様です」の違い
退勤時は「お先に失礼します」が基本です。
残っている同僚や上司には「お疲れ様です」とセットで伝えると◎。
例
「お先に失礼します。お疲れ様でした!」
すれ違いざまのあいさつルール
廊下・休憩室・エレベーターなどでのすれ違いでは、軽い会釈+一言がちょうどいいです。
✔️目を見て
✔️軽く会釈
✔️「お疲れ様です」「おはようございます」
間違いやすい言い回しと正しい敬語

「ご苦労様です」はNG?
「ご苦労様です」は目上の人が部下に対して使う言葉です。
新入社員が上司に使うのは失礼にあたるため注意しましょう。
✅ 正しくは「お疲れ様です」または「ありがとうございます」
「どうも」は丁寧?カジュアル?
「どうも」は便利な言葉ですが、ややカジュアルな印象があります。
ビジネスシーンでは、正式な挨拶に置き換える癖をつけておくと安心です。
カジュアル | 丁寧な表現 |
どうも~ | お疲れ様です/お世話になっております |
ありがとう | ありがとうございます/感謝しております |
言い換え例まとめ(表)
NG表現 | 正しい言い方 |
ご苦労様です | お疲れ様です |
どうもです | お世話になっております/失礼します |
~っす | ~です/でございます |
あいさつ・おじぎのQ&A集

Q1:挨拶しても無視されたときはどうする?
無視されたとしても、気にせず続けるのが正解です。
相手が気づいていなかっただけかもしれませんし、自分から「感じのいい人」でいることが大切。
Q2:出先で相手の名前がわからないときは?
どうしても思い出せない場合は、失礼にならないように名刺を確認したり、先輩にこっそり聞くなどで対応を。
例
「失礼ですが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
Q3:外国人の上司にもおじぎする?
はい、日本国内でのビジネスシーンなら、おじぎは文化として伝わります。
外国人相手には、おじぎ+握手の併用でもOKです。自然な形で丁寧さを伝えることが大切です。
まとめ|あいさつとおじぎは“習慣”で変わる
あいさつとおじぎは、スキルではなく習慣。
正しいやり方を知って、繰り返すことで自然な所作になります。
社会人の皆さん、今日から少しずつ「感じのよい自分」への一歩を踏み出してみてください!